Mots

仏文専攻学部生マリエの日常雑記
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スタンダール『パルムの僧院<下>』
評価:
スタンダール
岩波書店
¥ 735
(1970-02)
コメント:苦しくも愛おしい「愛」の群像

上巻で綿密に構築された人物同士の関係、キャラクターを存分に生かし、
それぞれの思惑や心情を描きつくしたのがこの下巻。

読んでいてやはり「じれったい!」と思うときもありますが、
政治的な思惑が絡んでいたり、
他の人物への嫉妬や葛藤が行動を阻んでいたり、
人間の機微がしっかりと描かれています。

たまに入る、
「読者にはこう思われるかもしれないが…」
「これが政治というものです」
というような、
作者(或いは第三者)の言葉が、
フィクションにとどまらない、まるで読者を啓蒙するかのような印象を与えて、
個人的にはおもしろいなぁと思いました。


ファブリスとクレリアの再会場面はドラマチックでぐっときました!
なかなかさくっと読める作品ではないですが、
だからこそこの作品の「厚み」を感じます。
素晴らしい作品でした。


…フランス語Verも留学中読みましたが、4ぶんの1で断念(泣)
でも、口頭発表の際に教授から指摘された分析ポイントは、
日本人には分からない単語の使い方や言い回し満載で、
文学研究のおもしろさと、母語と第二外国語の高い壁(或いは差異。第二外国語だからこそ気づくこともあるだろうから、どちらがいいとはいえない)を実感しました。
うーん。これだけでもおもしろい。奥深い。文学研究ってものは。
ブックレビュー | 10:12 | comments(0) | -
スタンダール『パルムの僧院<上>』
評価:
スタンダール
岩波書店
¥ 693
(1969-01)
コメント:政治、恋愛、歴史、多くが絡み合った傑作
現代には見あたらない情熱系
青春時代に一度は読んで見るべき名作

大学の授業で扱われていたり、留学先の試験で出題されたりと、何かと縁があったので、それに乗じて読んでみました。


多くのテーマが内包されており、充実した内容です。


最初の部分は歴史的な記述が多く世界史をある程度知っていないと少々読むのが辛いかもしれませんが、
当時の政情を知った上でなら、むしろかなりおもしろく読んでいけると思います。
この上巻は、主人公ファブリスの幼少〜青年時代が描かれています。
ファブリスは純粋無垢で、
戦争の場面などは純粋さが周囲の場面と好対照をなしています。

公爵夫人とファブリスの複雑な愛が、
巧妙に描かれています。
やたらに回りくどく感じる時もあるけれど、
微妙な感情の移ろいの表現は素晴らしい。

戦いや政治など、
ファンタジックな要素も多く、
文学作品が苦手な方でも、ファンタジーが好きな方には良いかもしれません。
ブックレビュー | 07:45 | comments(0) | -
『閉じた本』
評価:
ギルバート・アデア
東京創元社
¥ 882
(2009-12-10)
コメント:聴覚と内面で進行してゆく物語

まずそのスタイルに驚く。


対話だけで進む。
つまり、視覚の描写がないのだ。


そのスタイルが理由でもあろうが、
語り口は軽く、
大変読みやすい。
翻訳ものが苦手な人でも、簡単に読めると思う。


その簡潔さゆえに
「ミステリー」という括りには正直入れ難い。

(以下ネタバレ含むので、反転でお願いします)
が、
「虚構とはいかにして形成されるのか」というテーマが、分かりやすく書かれているのは興味深い。
目の前の情報に流され、その情報を受け取ってしまう。
自分の認識がいつのまにか間違ってしまう。

現代社会にとっては皮肉にうつるだろうけれど、
むしろこういうことに敏感になる必要があるんじゃないかと思う。

極論すれば、
情報操作次第で、私たちも虚構の世界にとらわれてしまうかもしれないのだから。


とにかく、サクッと読めておもしろいので、
何となく翻訳に苦手意識を持っている人も、
ライトにちょっとおもしろいものを読みたいという人も、
読んでみるといいかと思う。
ブックレビュー | 01:51 | comments(0) | -
『水車館の殺人』
評価:
綾辻 行人
講談社
¥ 840
(1988-01-28)
コメント:不気味な演出が勢揃いの正統派ミステリー

マスク、絵画、洋館、
妖しげなアイテムが揃い、
怪しげな登場人物がおり、
雰囲気に飲み込まれます。

綾辻さんの書き方はすっごくナチュラルで、
でも生々しくて、
「ホラー映画を観るときに、掌で顔を覆いながら、
その隙間から見てしまう」感じで、
どんどん読み進めてしまう。


…私は寝る前に読んでたので、
微妙に空いたドアの隙間が怖くなったり(笑)


伏線もすばらしく、
最後に綺麗に集約していく様は、圧巻です。
ブックレビュー | 01:15 | comments(0) | -
『深夜特急<1>香港・マカオ』
評価:
沢木 耕太郎
新潮社
¥ 420
(1994-03)
コメント:異国の香り。旅の黄昏。

熱気。
博打。
女。
土。
虚無。



におい立つような小説と言えそうなくらい、
臨場感に溢れている。


自分が旅をしているというか、
自分が文を通してその土地を感じられるくらいの実感がある。


めちゃくちゃおもしろいです。
何故今までよんでこなかったのか、っていうくらい。



個人の経験を詳細に書くだけで、
ここまでおもしろくなるのだなぁと思う。

そして妙なことに、
体験が臨場感溢れるという点に、就職活動の自己PRとの類似性を感じてしまう


私も去年一昨年、このブログにがりがり書いたけれども、
それと似たような感慨深い気持ちになった。





ああ、旅をしたいね。
ブックレビュー | 02:25 | comments(0) | -
『カメのきた道―甲羅に秘められた2億年の生命進化』
評価:
平山 廉
日本放送出版協会
¥ 966
(2007-10)
コメント:カメって、深い。

大好きな東京駅丸の内オアゾの松丸本舗で発見した本。
見た瞬間、読むしかない、と思いました。


ウチにはでっかいカメが4匹いて、妹がカメ大好きなんです。
で最近妹としみじみとカメを眺めて、
「なんでカメには甲羅があるんだろう」
「なんでカメって首ひっこめられるんだろう」
という素朴な疑問について、議論(?)しとりました。


この本のカバーを見れば、
「カメがなぜ甲羅を持っているのか?カメの進化のなぞに迫る!」
という至極魅惑的なフレーズが目に入り、

ああ、これは運命か、と思ったほど(笑)




肝心の内容はというと、
それほどまで簡単な話ではないです。
カメの化石・地質年代から、カメがいかにして進化をしてきたのかを考察している。
地質学や生物進化の知識があれば、もっとおもしろいんだろうなぁと思うと、ちょっと残念。
それでも、語り口が優しいので、超文型の私にも読めました!

読むほどに、カメって深くて、すごい、と思ってきます。
ロマンさえ感じます。
私が持っていたカメへの疑問をお持ちの方、歴史のロマンを感じたい方にはお勧め!
科学的なものも、おもしろいなぁー。

ブックレビュー | 10:39 | comments(0) | -
『地頭力を鍛える』
評価:
細谷 功
東洋経済新報社
¥ 1,680
(2007-12-07)
コメント:頭を使うってこういうことか。

一応面接対策に、と読んでみました。
前々から気になっていた本でもあったし。
数字を用いて考えるのは、自分の弱点てわかってたのでねー。


内容は、確かにわかり易い。
地頭力って何者か?っていう定義が細かく書かれています。
でも、考え方のフレームワーク自体はそう特殊なものでもない印象を受けたかな。
ページ数の割りには、フレームばかりの気がしました。

もうちょっと具体例がほしかったかな?


あと、考え方だけ知るだけでなく、
世界の「数値」もほんの少し、知っておかなければ難しいね。
問題によっては数値のブレも結構出てしまうので、
「ひとつの思考の手段」としてとらえる、くらいが適度だと思います。


といろいろ書きましたが、
現代人が苦手な思考回路を鍛えられる本だと思います。
一度読んでみるのもいいかと!
ブックレビュー | 22:46 | comments(0) | -
『死にぞこないの青』
評価:
乙一
幻冬舎
¥ 480
(2001-10)
コメント:現代に潜む小さな魔物

短編なので、さくっと読めますが、さすが乙一、綺麗にまとまっていて分かり易い。


内省的で暗いけど、どこか理解できる少年のお話。
実際あるのではないか、と思うリアリティがあります。


たぶん、無意識にこういうことってしている。
意識的じゃないから、怖いんだ。

本当に怖いのは、人間の方なんだろうな。



仄暗く現代の病理を照らす作品です。
最初かいたことと矛盾しますが、まとまりすぎな感じもしたので星4つ。
難しい短編でここまで書けるのってすごい、ですけどね!^^
ブックレビュー | 21:17 | comments(0) | -
『怖い絵』
評価:
中野 京子
朝日出版社
¥ 1,890
(2007-07-18)
コメント:絵画から見る歴史

ウチの大学でも教えていらっしゃるという、
中野先生の著作。


結構人気だったらしいし、
中野先生のTAやっている友人も「おもしろい」というので、
BOOKOFFで偶然発見して購入。


たぶん、多くの人が
タイトルから想像するのは、
「気味が悪い絵の紹介本」とか、
「得たいのしれないものが描かれている絵画の本」
とかでないかしら。


私もなんとなーく
そんなイメージだったのだけど、


まぁこの本、
簡単にいっちゃえば
「絵画から読める歴史」
「絵画の描かれた歴史的文脈」
に焦点を当てて書かれた本、です。



歴史、
特に近代の西洋史に興味がある人にはかなりおすすめ。

語り口は軽いし、
20もの作品が5、6ページの手軽なページ数で解説されています!

歴史とか、美術批評に興味がある人には最適の入門書かと。
普通に、歴史の様々な側面がわかり、私もとても楽しめました。



ただ、
さっき書いたとおり、タイトルから受けるイメージと本の内容に
やや違いがあるので、
★4にさせて頂きました!
これは編集者の力かしらねー。うまいタイトルです♪
ブックレビュー | 09:23 | comments(0) | -
『ジャーナリストという仕事』
評価:
---
中央公論新社
---
(2008-03)
コメント:新聞記者のエッセンス

最近になって突然、「新聞記者」という職業に興味がわいてきたので、
この本を手にとってみました。


新聞、そして新聞記者のエッセンスがコンパクトにまとまっている本です。

新聞を取り巻く環境、
新聞のこれから、
新聞の問題点、

新聞記者の考え方、
新聞記者の取材姿勢、
新聞記者の難しさ、

記者職を目指さずとも、
新聞というメディアを考えるための大枠が分かります。
どの項も大きめの字で3,4ページ程の分量なので、
さくっと読めるところもまた魅力。


★4の理由は、
もう少し具体例がほしかったかなぁ。
新人記者の話とか、記者クラブの話とか。


私は、読後、記者への興味が高まりました。
知れば知るほど、この職業に挑戦してみたくなります。

常に自己分析しておりますが、
なかなか軸が定まらない。
でも、何か、この職業は気になるのです。
ブックレビュー | 02:15 | comments(0) | -
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